サケについてまとめました。
この記事で分かる事
■サケの一生
■サケが帰ってくる地域
サケの一生
サケの一生を簡単に解説します。
◆春 卵が孵化し稚魚になり海に下ります
◆夏 その年に生まれたサケは夏から秋までオホーツク海で過ごし翌年の6月頃ベーリング海へ
◆秋 秋になるとアラスカ湾へ移動
◆冬 その年に生まれたサケはアラスカ湾で冬を越し、このサイクルを3年から5年繰り返す。海で大きく育ったサケは産卵のため生まれた川へ帰る
◆冬~春 産卵→孵化→海へ
サケは冬の川底の砂利の間で生まれます。
生まれてしばらくはヨークサックというお腹のお弁当から養分を取って砂利の間でじっと静かに暮らしています。
1か月くらいかけて稚魚になり水中に浮上し泳ぎ出します。
そして春にかけて海へ下ります。
◆夏~秋
海に旅立った稚魚たちは1~2か月間は沿岸部分で過ごし、
その後オホーツク海で夏から秋まで過ごします。その後東へ向かい翌年の6月ごろベーリング海へ入ります。
そして、サケたちは秋になるとアラスカ湾へ行って冬を越し春になると再びベーリング海へ戻ります。
この行動を3年から5年ほど繰り返しながら海で育ちます。
◆冬 生まれた川へ帰り産卵
3年から5年、海で大きく育ったサケは産卵のために生まれた川へ帰ります。
ふるさとの川へ帰ってきたサケは川を遡上し底が砂利で湧き水が出るところを探します。
メスが卵を産むくぼみを作りそこへオスが寄り添い産卵し
産卵が終わると一週間から10日ほどでオスもメスも死んでしまいます。
サケは死んでしまいますが川の生き物や周辺に住む動物たちの貴重な養分になり次の新しい命へバトンを渡すという大切な役割を果たします。
鮭(サケ)が帰ってくる地域
日本国内でサケが遡上する川として有名なのは石狩川や豊平川など。
北海道ではほとんどの川にサケが遡上します。
日本のシロサケの生息南限は日本海側は新潟県あたりと言われています。
日本で定常的に遡上が認められる太平洋側の南限の河川は千葉県の九十九里浜に注ぐ栗山川と言われていますが、
「酒(サケ)は銚子に限る」ということわざの語呂合わせから太平洋側の南限は銚子付近だとも言われています。
放流が行われる以前から天然魚が遡上していたという記述があるのは、
京都府の由良川や島根県の高津川など西日本を流れる複数の河川です。
日本海側の南限は福岡県の遠賀川と言われており、
さらに魚類学会誌によるとアジア側の南限は佐賀県の松浦川との記述もあります。
近年では放流によりもともと生息していなかった南の川にも遡上することがあります。
サケの母川回帰率は?
東京や横浜で放流されたサケの稚魚は川を下って東京湾に下ります。
そして東京湾を出て他の地域で放流された稚魚と合流しオホーツク海を目指します。
東京湾は水質が悪く水温も高く放流の時期が遅くなると、
水温が高くなる夏までに東京湾を出れずサケの稚魚は死んでしまいます。
なのでもともと自然分布していない川へサケが帰ってくる可能性は低いと考えます。
なぜならば、サケの生まれた川へ戻り産卵するという母川回帰率は北海道では3~4%なのに
南に下がるに従い低下し、利根川では 0.1%程度といわれているからです。
(たまに間違って違う川にサケが遡上したりするみたいですが、滅多にない事だと思います)
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